こんにちは!italki日本語講師のまよです。
今回は子供に日本語を指導するときのコツをまとめました。
- ストーリーリスニング(TPRS)を取り入れれる
- 教えるべきボキャブラリー
- 食べ物・生き物・文化
- 短い複数のアクティビティ
- もっとも気をつけるべきことは…
- ストーリーリスニング(TPRS)を取り入れる
ストーリーリスニング、またはTPRS (Total Physical Response Storytelling)とは、学習者が理解可能な文を、状況と合せて与える教授法です。最も易しいレベルではイラストのみを提示しながら語彙を与えたり、一語文、二語文などの絵本からスタートします。その後、ゆっくりとレベルをあげ、昔話などを取り入れていきます。
昔話は子供っぽい、簡単すぎる、ティーネイジャーは集中してくれない、とお思いの方もいらっしゃるかと思います。実は昔話の語彙の約15%はレベルの高い語彙だと言われており、この学習方法は何歳でも、どのレベルの学習者にでも効果があると言われています。
この教授法で最も大切なことは、提示される語彙または文は学習者にとって理解可能である、ということだそうです。1つの文を、類似語や対義語を使って説明し、何度も繰り返し説明することでインプットを増やし、学習者が理解できるようにします。詳しくはTPRS、または「It’s all about input!」と動画サイトで検索してみてください。
- 教えるべきボキャブラリー
私が子どもに教え始めたときは、つい、りんご、バナナ、みかん…など、名詞を導入してしまっていました。ですが、今ではまず動詞の導入をするとその後の授業が楽しくなると思っています。座る、立つ、食べる、飲む、寝る、起きる…など、基礎的な語彙は実際に体を動かしながら楽しく教えることができます。座って下さい、立って下さい、など、〜下さいゲームもできますし、ゆっくり座って下さい、すばやく立って下さい、など、副詞を追加してゲームの幅も増やせます。
- 食べ物・生き物・学校文化を紹介する
子どもの好きな食べ物、デザートを聞いたり、朝食や昼食に何を食べたのか聞いてみましょう。日本の食べ物の画像や動画を見せるなどすると子どもの反応はとてもいいです。他にもペットの話題、身近な動物の話題や、学校文化の違いなども動画で見せると興味を示してくれるお子さんは多いです。
ただし、この文化紹介アクティビティではついつい難しい語彙を使ってしまい「理解可能な提示」にならなくなってしまうこともありますので、紹介する内容は少なく、説明する語彙は豊富に、を心がけるようにしています。
- 短い複数のアクティビティ
45分授業の場合、10〜15分ずつ、3〜4つのアクティビティを用意しています。ただし、全て「新品」である必要はありません。①前回見たストーリーを見る(少し読み方を変えながら)②指示ゲーム、ボディランゲージを使ったゲームなど ③新しい短いビデオを見てもらう。ビデオを、理解可能な語彙を使って伝える。 ④今週撮った写真を紹介する 、など4つほどのアクティビティを用意しています。
- 最も気をつけるべきことは…
みなさんが子どもの頃、授業中に教師に学習済みのことを覚えているか質問されたり、理解度を試されるようなことを聞かれた時、とても緊張したり、間違えるのが怖くて黙ってしまったような思い出はないでしょうか。
私は数学が大の苦手だったのですが、そういった「教師に試される」「恥をかく」時間があると、授業や教科そのものがイヤな時間になってしまい、次の数学の授業が嫌で嫌でたまらない気持ちになっていきました。
試されたり、恥をかかされたり、間違いを指摘されたりすることは何歳であっても気持ちの良いものではないですよね。子どもの場合はそれが特に繊細だったり、ある1つの事柄を否定されると自分が否定されてしまったかのように受け取ってしまうセンシティブなお子さんもいらっしゃいます。
とにかく「理解可能」「楽しい」「インプット中心」の授業を目指しているので、子どもを指導する際は私は訂正すらしません。訂正すると楽しかった雰囲気が損なわれてしまうためです。(クラッシェンによると、アウトプットは言語習得には影響をおよぼさないそうです。そのため、子どもがアウトプットした言葉の誤りを訂正することの効果はあまり無いでしょう。)
いかがでしたでしょうか。1つでもご参考になれば幸いです。お読み頂きありがとうございました!
-Teacher Mayo
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